「コンサルって、結局なにをしている業界なの?」──そんな疑問に答えるため、この記事ではコンサル業界を6つのエリアに分けた「業界地図」と、決算書・国の統計で見る年収や働き方を整理します。

使っている数字は、各社の決算短信・有価証券報告書・米国の年次報告書(10-K)と、厚生労働省の統計などの一次資料だけです。

数字で見るコンサル業界(2025年)

国の統計には、コンサルだけの年収・残業・離職率の数字はありません。そこで、コンサルを含む大きな分類「学術研究,専門・技術サービス業」で見ます。この分類には、研究所・士業・デザイン・広告なども含まれる点に注意してください。

学術研究,専門・技術サービス業全産業
推計年収(賞与込み)約684万円約559万円
月の残業時間14.2時間13.2時間
離職率(1年間)10.0%11.4%

推計年収は全産業より高く、残業は少し多め、離職率は全産業より低めという姿です。ただし、コンサル単独の数字ではありません。

数字の読み方の注意

  • 対象は「一般労働者」(パート以外の人)で、事業所規模5人以上の平均です。
  • 推計年収は、賞与込みの月平均の給与(現金給与総額)×12で当サイトが計算した概算です。業界全体の平均で、個人の年収ではありません。
  • 離職率には定年退職なども含まれます。

コンサルの種類と仕事の違い

種類主な仕事代表的な会社(例)
戦略系経営トップの課題(全社の戦略・M&Aなど)マッキンゼー・BCG・ベイン
総合系戦略から実行・システム導入まで幅広くアクセンチュア・デロイト・PwC・EY・KPMG
IT系システムの企画・導入フューチャー・アビーム
シンクタンク系調査・政策提言+コンサル野村総合研究所・三菱総合研究所・日本総研・大和総研

同じ「コンサル」でも、相手にする課題の大きさや、どこまで手を動かすかが違います。種類によって仕事も働き方も変わります。

コンサル業界地図2026

コンサル業界を6つのエリアに分け、主な会社を並べました。売上は上場企業の、直近の通期・連結の数字です(億円は百万円を100で割って四捨五入)。決算期は会社ごとに違います。

エリア会社決算期売上
戦略系マッキンゼー・BCG・ベイン-非上場
総合系アクセンチュア2026年8月期世界全体で約742億ドル(日本の売上は非開示)
総合系デロイト・PwC・EY・KPMG-非上場
IT系フューチャー2025年12月期760億円
IT系アビーム-非上場
シンクタンク系三菱総合研究所(IT子会社を含むグループ全体)2025年9月期1,215億円
シンクタンク系野村総合研究所(コンサルティング部門)2026年3月期636億円
シンクタンク系日本総研・大和総研-非上場
日本発の上場ファームベイカレント2026年2月期1,483億円
日本発の上場ファームシグマクシス・ホールディングス2026年3月期238億円
中堅・中小企業向け船井総研ホールディングス2025年12月期333億円

野村総合研究所は、会社全体の売上収益は8,147億円ですが、大半はIT事業です。コンサル会社として大きく見えすぎないよう、ここではコンサルティング部門の外部売上636億円を載せています。

アクセンチュアの売上は世界全体の数字で、円には換算していません(為替レートの選び方で数字が変わるため)。

天気マーク=当サイトの見通し

エリア見通しひとこと
総合系(BIG4など)晴れ戦略から実行・システムまで
IT系晴れシステムの企画・導入
日本発の上場ファーム晴れ伸び方は会社で差が大きい
戦略系晴れ時々くもり外資が中心(日本の決算なし)
シンクタンク系晴れ時々くもり三菱総研はIT子会社を含む
中堅・中小企業向け晴れ時々くもり地方・中小の経営支援

天気マークは、各社の売上の伸び・中期経営計画・年次報告書をもとにした当サイトの見通しで、将来の業績や働きやすさを保証するものではありません。

年収を決算書で見る

上場企業は、有価証券報告書の「従業員の状況」に平均年間給与を載せています。

平均年間給与平均年齢対象
野村総合研究所1,333万円39.7歳単体7,982人(2026年3月31日現在)
ベイカレント1,331万円31.3歳提出会社866人(2026年2月28日現在)
学術研究,専門・技術サービス業(国の統計)約684万円-推計年収(当サイト計算)
全産業(国の統計)約559万円-推計年収(当サイト計算)
  • 平均年間給与は全社員の平均で、個人の年収ではありません。
  • ベイカレントは提出会社866人の平均で、グループ全体(6,788人)の平均ではありません。グループ全体の平均年収は有価証券報告書に載っていません。
  • 会社の平均年間給与と、国の統計の推計年収は、対象も計算方法も違います。

働き方の違い(勤続年数)

野村総合研究所ベイカレント
平均勤続年数13.7年3.8年
平均年齢39.7歳31.3歳

平均年収はほぼ同じでも、平均勤続年数は大きく違います。ただし、会社の歴史の長さや、社員が増えるスピードの違いも影響します(ベイカレントのグループ従業員数は、前年の5,467人から6,788人に増えています)。どちらが良い・悪いという話ではありません。

野村総合研究所は、有価証券報告書で「飛び級」「早期登用」制度により若手の早い成長を支えると書いています。

伸びている勢い

+27.8%
ベイカレントの売上の伸び(2026年2月期)
+8%
アクセンチュアのアジア太平洋の売上の伸び(現地通貨・2026年8月期)
3,000億円以上
野村総研のAI関連売上の目標(2028年度)
  • ベイカレント:売上収益1,483億円(前期比+27.8%)、営業利益509億円(+19.5%)。
  • アクセンチュア:アジア太平洋の売上は107億ドルで、現地通貨で+8%。伸びのけん引役として日本・豪州・シンガポールを挙げています。世界全体の売上のうち、コンサルティングは369億ドル(全体の50%)です。
  • 野村総合研究所:中期経営計画「中計2028」で、AI関連の売上を2025年度の約300億円から、2028年度に3,000億円以上へ伸ばす目標を出しています(会社全体では2028年度に売上9,500億円・営業利益2,000億円が目標)。

一方でリスクもあります。野村総合研究所の2026年3月期は、売上収益が+6.5%だったものの、豪州・北米事業ののれん等の減損損失976億円を計上し、営業利益は583億円(△56.8%)と半分以下になりました。

伸びる領域・置きかわりやすい作業

伸びる領域(例)置きかわりやすい作業(例)
AIの導入・業務の変革調べものの下まとめ
セキュリティ決まった形の資料づくり
システムの作り直し議事録づくり

伸びる領域は、野村総合研究所の中期経営計画(AIによるビジネス変革・デジタルセキュリティなど)や、アクセンチュアの年次報告書(AI・データの専門人材 約110,000人)を手がかりにした当サイトの見方です。決まった作業はAIに置きかわりやすいので、入ったあとにどの力を伸ばすかが大事になります。

ほかの業界からの入り方

狙い方の例を3つ紹介します。

  1. 今の業界の知識を活かす:金融・製造など、業界ごとのチームで、業界の知識を強みにする。
  2. IT経験を活かす:IT系や、総合系のIT部門を狙う。
  3. 20代は第二新卒・未経験の採用枠を狙う。

どの道も、採用の条件は会社や時期によって違います。応募の前に、募集要項で求められる経験を確かめましょう。

向いている人・向いていない人

向いている人向いていないかもしれない人
変化を楽しめる人同じ仕事を長く続けたい人
数字と言葉で説明するのが好きな人指示を待って進めたい人
短い期間で成長したい人プライベートの時間を毎週一定に確保したい人

※向き・不向きは、公開情報をもとにした当サイトの見方です。会社や部署によって働き方は違います。

まとめ

  • コンサルは「戦略・総合・IT・シンクタンク」などの種類で、仕事も働き方も違う
  • 年収は高い水準だが、あくまで平均の話。会社によって勤続年数などの姿は大きく違う
  • AIの導入やセキュリティが伸びる領域。一方で、大手でも業績が大きく落ちる年はある

気になる種類や会社が見えてきたら、転職サービスで実際の求人や、自分の経験がどう評価されるかを確かめてみるのも一つの方法です。

出典・注意書き

基準日:2026年10月時点(各社の数字は2026年10月25日に確認)

国の統計

各社の決算・有価証券報告書・年次報告書

ご注意

  • 数字は2026年10月時点で確認できた公表値です。決算期は会社ごとに異なります。
  • 平均年間給与・推計年収は平均値で、個人の年収を示すものではありません。
  • 戦略系・BIG4・アビーム・日本総研・大和総研などは非上場のため、決算の一次資料がなく、売上・年収は載せていません。コンサル業界全体の市場規模も、確認できる最新の公的統計がないため載せていません。
  • 天気マーク(見通し)・伸びる領域・向き不向きは、公開情報をもとにした当サイトの見方で、将来を保証するものではありません。

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