求人サイトで最も多く見かける職種の一つが「営業」です。でも、銀行の営業と、車の営業と、MR(医薬品の営業)では、年収はどれくらい違うのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(2026年3月公表)が分けている営業の6分類を、推計年収のランキングにして比べます。あわせて、順位よりも大きな差がつく会社の規模・年齢・経験年数の違いと、営業の求人を比べるときの基準を整理します。
営業職の平均年収は?6分類の年収ランキング
答え:営業6分類の推計年収は541万〜674万円です。1位は金融営業の674万円、最も人数が多い「その他の営業」(MR・不動産セールスなど)は661万円でした。
推計年収は、2025年6月の月給(残業代を含む「きまって支給する現金給与額」)×12+前年1年間の賞与で当サイトが計算した概算です。
| 順位 | 分類 | 推計年収 | 月給(残業代込み) | 年間賞与など | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 金融営業 | 674万円 | 42.5万円 | 164.2万円 | 37.1歳 |
| 2位 | 販売類似 | 665万円 | 43.4万円 | 143.8万円 | 40.4歳 |
| 3位 | その他の営業 | 661万円 | 42.6万円 | 149.4万円 | 42.4歳 |
| 4位 | 機械器具・通信・システム営業 | 659万円 | 42.6万円 | 148.7万円 | 42.2歳 |
| 5位 | 自動車営業 | 586万円 | 38.2万円 | 126.8万円 | 39.9歳 |
| 6位 | 保険営業 | 541万円 | 39.4万円 | 68.0万円 | 46.8歳 |
上位4分類は659万〜674万円で、1位と4位の差は15万円(当サイト計算)しかありません。この統計で見る限り、「何を売るか」だけで年収に大きな差はつきにくいと言えます。
6位の保険営業は、働く人の約8割が女性で、平均年齢も46.8歳と高めです。男女や労働時間の違いが混ざった平均なので、男女で比べるの章もあわせて読んでください。
保険営業・不動産営業・MRはどこ?統計の営業6分類
賃金構造基本統計調査は、営業の仕事を「何を売るか」で6つに分けています。厚生労働省の「役職及び職種解説」による中身は次のとおりです。
| 分類(統計の名前) | 含まれる仕事の例(職種解説より) | 働く人(推計) |
|---|---|---|
| 金融営業職業従事者 | 貯蓄外交員、銀行外務員、有価証券勧誘員 | 約15.4万人 |
| 保険営業職業従事者 | 保険外交員、保険セールス員、損害保険契約外交員など | 約24.8万人 |
| 自動車営業職業従事者 | 自動車セールス員(訪問しての勧誘・交渉・契約) | 約11.0万人 |
| 機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く) | 電気機械器具・産業用機械の営業、通信回線の営業、システム営業、セールスエンジニア | 約23.6万人 |
| 販売類似職業従事者 | 不動産仲介人、保険代理業務員、株式・証券の売買人、広告代理人など(間に立って売買をまとめる仕事) | 約8.9万人 |
| その他の営業職業従事者 | MR、不動産セールス員、ソフトウェア販売の営業、広告・印刷の営業、食料品のルートセールス、建設工事の受注営業など | 約90.7万人 |
ここが大事
- MR(医薬品の営業)や不動産のセールス、ソフトウェアの営業は「その他の営業」に入ります。6分類で最も人数が多い分類です。
- 不動産の仲介や保険の代理店は「販売類似」、不動産のセールスや保険の外交員は別の分類、と分かれている点に注意してください。
大手と中小で年収はどれくらい違う?(会社の規模)
| 分類 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 |
|---|---|---|---|
| その他の営業 | 783万円 | 613万円 | 552万円 |
| 機械器具・通信・システム営業 | 745万円 | 640万円 | 556万円 |
| 自動車営業 | 634万円 | 570万円 | 541万円 |
その他の営業では、1,000人以上の企業と10〜99人の企業で231万円の差(当サイト計算)がありました。売るものの違い(上位4分類で15万円)より、会社の大きさの違いのほうがずっと大きく出ています。
※金融営業の10〜99人規模は人数が少なく値の上下が大きいため、この表には入れていません。
30代・40代の営業の年収は?(年齢別)
| 年齢 | 金融営業 | その他の営業 | 機械器具・通信・システム | 自動車営業 | 保険営業 | 販売類似 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 413万円 | 382万円 | 404万円 | 385万円 | 336万円 | 402万円 |
| 25〜29歳 | 561万円 | 513万円 | 509万円 | 491万円 | 392万円 | 551万円 |
| 30〜34歳 | 702万円 | 597万円 | 586万円 | 560万円 | 438万円 | 663万円 |
| 35〜39歳 | 803万円 | 647万円 | 667万円 | 639万円 | 511万円 | 738万円 |
| 40〜44歳 | 827万円 | 720万円 | 732万円 | 654万円 | 509万円 | 841万円 |
| 45〜49歳 | 874万円 | 745万円 | 782万円 | 719万円 | 615万円 | 796万円 |
| 50〜54歳 | 818万円 | 830万円 | 791万円 | 688万円 | 623万円 | 780万円 |
| 55〜59歳 | 798万円 | 872万円 | 820万円 | 685万円 | 633万円 | 768万円 |
| 60〜64歳 | 566万円 | 635万円 | 597万円 | 493万円 | 613万円 | 566万円 |
- 金融営業:30代前半で702万円と、ほかより早く上がります。山の頂上は40代後半の874万円。
- その他の営業:50代後半まで伸び続け、872万円になります。
- 「早く上がる営業」と「長く伸びる営業」があり、何歳で転職するかによって、比べるべき数字が変わります。
経験年数で営業の給料はどう上がる?
その職種での経験年数ごとの所定内給与額(残業代・賞与を含まない月の給与)です。経験年数は「その職種の仕事に従事した年数」で、会社が変わっても通算します。
| その職種の経験 | 金融営業 | その他の営業 | 機械器具・通信・システム | 自動車営業 | 保険営業 | 販売類似 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0年 | 30.1万円 | 34.2万円 | 30.9万円 | 26.9万円 | 25.6万円 | 31.6万円 |
| 1〜4年 | 30.9万円 | 35.4万円 | 32.2万円 | 28.4万円 | 31.2万円 | 35.7万円 |
| 5〜9年 | 35.4万円 | 37.2万円 | 35.7万円 | 34.5万円 | 39.3万円 | 43.1万円 |
| 10〜14年 | 40.6万円 | 39.9万円 | 39.9万円 | 37.2万円 | 46.0万円 | 41.9万円 |
| 15年以上 | 48.0万円 | 46.2万円 | 45.2万円 | 39.1万円 | 50.3万円 | 48.3万円 |
保険営業は、経験0年の25.6万円から15年以上の50.3万円へ、およそ2.0倍になります(当サイト計算)。その他の営業はおよそ1.3倍です。理由までは統計からわかりませんが、入ったばかりの給料だけで、その仕事の先を判断しないほうがよさそうです。
年収に占める賞与の割合
年間賞与等÷推計年収で当サイトが計算した割合です(自動車営業・販売類似は22%)。同じ年収でも、ボーナスで受け取る割合が大きい仕事と、毎月の給料の比重が大きい仕事があります。賞与は会社の業績で変わることがあるため、求人では月給と賞与を分けて確かめましょう。
働き方の数字(残業・労働時間)
| 分類 | 月の超過労働 | 月の所定内労働 |
|---|---|---|
| 金融営業 | 18時間 | 154時間 |
| 自動車営業 | 15時間 | 164時間 |
| 機械器具・通信・システム営業 | 13時間 | 162時間 |
| 販売類似 | 11時間 | 164時間 |
| その他の営業 | 10時間 | 163時間 |
| 保険営業 | 1時間 | 145時間 |
数字は2025年6月の1か月分です。繁忙期の残業や、外回りの移動時間の扱いはこの数字には表れません。面接で確かめましょう。
男女で比べる(生命保険の営業の年収)
| 分類 | 男性 | 女性 | 働く人に占める女性 |
|---|---|---|---|
| その他の営業 | 689万円 | 553万円 | 約21% |
| 保険営業 | 887万円 | 447万円 | 約79% |
保険営業は男女で大きく違いますが、平均年齢(男性44.7歳・女性47.4歳)や月の所定内労働時間(男性155時間・女性142時間)も違うため、単純には比べられません。
営業事務・販売店員との比較
営業と近い仕事の推計年収は、営業・販売事務従事者(営業事務など)が525万円、販売店員が385万円でした。お客さんを訪ねて契約まで進める営業の6分類は、541万〜674万円と高めに出ています。
営業事務や販売店員から営業へ職種を変える場合、統計上の経験年数は0年からの数え直しになります。経験年数の表と合わせて考えましょう。
営業の仕事そのものがAIでどう変わるかは、姉妹サイトのAIエージェント研究所が営業職はAIでどう変わる?これから求められる営業スキルで整理しています。
営業で年収を上げるには?求人を比べる3つの基準
- 会社の規模:同じ営業でも、1,000人以上と10〜99人で200万円以上の差が出ている。
- 年齢での伸び方:早く上がる分類(金融営業など)と、長く伸びる分類(その他の営業など)がある。
- 給料の内訳:月給・賞与・歩合の割合を分けて見る。
これは統計から読んだ当サイトの整理です。最後は、扱う商品への興味や働き方との相性で判断してください。
まとめ
- 営業6分類の推計年収は、1位の金融営業674万円から6位の保険営業541万円まで。上位4分類は15万円差の横並び。
- 差がつくのは会社の規模:その他の営業で1,000人以上と10〜99人の差は231万円。
- 金融営業は早く上がり、その他の営業は50代後半まで伸びる。保険営業は経験とともに月給がおよそ2倍。
- 求人は「規模・伸び方・内訳」の3つで比べる。
出典・注意書き
基準日:2026年10月時点(賃金は令和7年賃金構造基本統計調査=2025年6月分の給与と2024年1年間の賞与。2026年3月24日公表)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421116
- 同 第5表 職種(小分類)、年齢階級別:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
- 同 第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421129
- 同 役職及び職種解説:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040465352
ご注意
- 数字は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上、全産業の平均です。個人の年収や転職時の提示額を示すものではありません。業界・企業規模・地域・個人の成績で大きく違います。
- 推計年収は「6月の月給(残業代込み)×12+前年の賞与」で当サイトが計算した概算で、国が公表した年収ではありません。歩合給の仕組みはこの平均からは見えません。
- 分類は統計上の名前で、求人での呼び方とは違うことがあります。
- 求人を比べる基準は当サイトの整理で、特定の転職の結果を保証するものではありません。